bloc:ピカソ展−ゲルニカ[タピスリ]をめぐって


2019/10/5(土)→2019/12/8(日)
ピカソ展−ゲルニカ[タピスリ]をめぐって
@群馬【群馬県立館林美術館
open 9:30 / close 17:00

パブロ・ピカソ(1881-1973)は、1937年、故国スペインの内戦で起きた無差別爆撃への衝撃から、大作《ゲルニカ》(国立ソフィア王妃芸術センター)を描きました。この絵は、同年のパリ万博で展示された後、ピカソの意思によりフランコ政権が終わるまでニューヨーク近代美術館に置かれ、ピカソ死後の1981年にようやくスペインに返還された、20世紀の歴史に深く刻まれる作品です。
 本展は、《ゲルニカ》を原画としほぼ同寸大で織られたタピスリ(タペストリー)を中心に、ピカソの絵画や版画の他、関連作品、資料を通して、《ゲルニカ》にまつわる様々な側面を見ていくものです。災厄に見舞われた人間たちと牛、馬が交錯するイメージとして完成された《ゲルニカ》は、スペイン内戦に対峙する絵画として反ファシズムのメッセージを訴える一方、ピカソの革新的なキュビスムの手法や、牛頭人身の怪物ミノタウロスのテーマ等から発展しつつも多様な解釈を呼ぶ、開かれた作品となっています。本展では、《ゲルニカ》を基点に、ピカソの政治・社会との関わりや、生涯情熱を傾けた闘牛、さまざまな動物のモチーフにも注目します。
 ピカソは、タピスリとは1930年代から接点があり、戦後は版画や陶芸制作を行っていた南仏で、信頼のおける織り師と出会い、絵画作品にもとづくタピスリ制作を託しました。その一つとなる《ゲルニカ(タピスリ)》は、アメリカの大コレクター、ネルソン・ロックフェラーが1作目を購入、モダンアートのタピスリ化の動きを後押ししました。後に作られた2、3作目はフランス、日本に所蔵されています。本展ではこのタピスリ誕生の秘話や織り師の働きについても触れます。
 本展がピカソ芸術の理解を深める機会となることを願っています。


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