bloc:『もの』からみる近世「吉祥のかたち」


2019/1/5(土)→2019/2/11(月)
『もの』からみる近世「吉祥のかたち」
@関東【国立歴史民俗博物館〈第3展示室(近世)副室〉】
open 9:30 / close 16:30

吉祥とは、良いきざし、めでたいしるしを意味する言葉です。絵画や工芸品の中には、吉祥にかかわる意味や願いを込めて制作されたものが少なくありません。歴史的に何度も何度も繰り返して表現され、定番と化した図像やモティーフの組み合わせには、特定の吉祥の意味づけがなされている場合が多くあります。例えば、松竹梅や鶴亀がめでたさの象徴であることは、良く知られています。
吉祥を意味する図像やモティーフの組み合わせには、中国の伝説や思想に端を発するものも多くありますが、能の祝言曲の『猩々』や浦島太郎の物語のように、日本で芸能や説話にとりいれられ、独特の展開が見られることがあります。また、細かな相違では、長寿を象徴する鶴は、中国では白鶴なのが日本では白鶴に限らないこと、亀は、中国では三千年生きるとされていたのが日本では一万年になっていること、鯉の瀧のぼりの鯉は、中国では角が生えかけているのが日本ではそうではないこと、などがあげられます。
このたびの特集展示では、そうした日本での展開に留意しつつ、吉祥にかかわる絵画や工芸品を歴博の所蔵品の中から選んで展示し、図像やモティーフに託された意味を読み解いていきます。


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